褥瘡
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褥瘡(じょくそう)とは
寝たきりなどによって、体重で圧迫されている部分の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうことです。一般的に「床ずれ」ともいわれています。人間は無意識的に姿勢を変えたり、寝返りをうったりしますが、自分で体位変換できない方は、体重で長い時間圧迫された皮膚の細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり、これにより褥瘡ができます。一度発症してしまうと、治るまでに長い期間を必要とします。
褥瘡回診による治療方法の検討
当院では多職種で褥瘡回診を行い、多角的な視点で褥瘡対策を講じています。褥瘡回診では、褥瘡の状態評価、治療方針の検討、マットレスやポジショニング(寝相)の評価を中心に実施します。さらに定例の院内褥瘡対策委員会の際に回診時の動画を視聴しながら、対応方法の変更点などを再検討し、院内に周知を図ります。

褥瘡対策チームメンバーとそれぞれの役割
チームは皮膚科専門医、看護師、褥瘡・創傷ケア認定理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士で構成されます。
褥瘡は皮膚の問題にとどまらず栄養状態、活動量、薬剤管理、体圧管理など、様々な要因が関与します。そのため、各職種がそれぞれの専門性を活かして協働し、情報を共有しながら対応することが求められます。
このように、褥瘡回診やカンファレンスを通じて情報共有を図り、褥瘡患者様一人ひとりを支える体制の充実が褥瘡ケアのカギとなります。

体圧評価とマットレスの選定
褥瘡は圧力が強く加わる位置に発症しやすく、特に骨が出っ張っている箇所には細心の注意が必要になります。当院では体圧測定器を用い、実際に体に加わっている圧力を数値で可視化することにより、予防や治療効果の向上に繋げることができています。
またマットレスにも様々なタイプがあります。体圧分散マットレスは、体に加わる圧を分散させることで、特定の部位への圧力を軽減し、褥瘡の発生や悪化を防ぎます。
患者様の状態に合わせて適切にマットレスを選択するために、フローチャートを作成し、選定の目安として運用しています。

